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 ​コスト削減の
     考え方

★コストは何のために使うのか、それは「課題を解決するために使う」、これが基本であり目的が不明確ならばコストを使う必要はありません。

★コストを使う場合、期待する成果を数値で具体的に設定しておき、コストを使ったら期待した成果が得られたかどうかを確認することが必要であり、使ったコストを上回る成果を出さないと「課題」が解決されたとは言えません。

★例えば、人員が足りないからアルバイトを雇う、売上が悪いから宣伝を打つ・・・等でコストを使う場合、アルバイトを何人雇って業務を何日で完了させる、宣伝を何百万円打って売上を何億円上げるというような目標を本来は事前に設定し、終了後に設定した通りの成果が得られたかどうかを検証せねばなりません。

★しかし、目標を設定せずに取り敢えずコストを使ってしまった、もしくは目標は設定したが検証無しで御終いにしてしまうということがよく見受けられますが、これらの共通する点はコストを使うことが目的化し、本来の目的である「課題を解決する」と言う事が忘れられています。

★又、昨年コストを使ったから今年も使うという事は実績があるため、周りからあまり文句は言われず容認されがちですが、それで課題解決ができているのかどうかは別物です。

★昨今の企業環境は毎年同じことが起こるのが稀な程、変化が激しくなっており、前年は有効だったからと言って今年も同じ効果が得られるとは限りません、コストを使うに当たっては常に過去の実績に囚われる事無く、「解決すべき課題は何か」を確認することが必要であり、習慣的・惰性的に使っているコストの使用目的を明確にさせるとコストの有効性が判明します。

 


 

                    ★office-doi copyright2013 kazuo.doi All rights reserved

大理石の表面

1.コストから利益を出す
 

★如何なる企業であれ企業活動によってステークホルダー(株主、顧客、従業員、取引先、地域・社会)の期待に応えることが求められていますが、その原資となるのが利益です。

 

★【利益=売上-コスト】で表わされるように利益は売上とコストの差をどれだけ拡大できたかという事で決まりますので、利益を上げるためには売上は出来るだけ上げ、コストは出来るだけ下げることが必要です。

 

★売上の管理とコストの管理のどちら一方が疎かになっても経営は上手く回らなくなりますので、売上を上げることとコストを下げることは常に一体的に考えねばなりません。

 

★各企業において売上を上げることは「攻め」のイメージがあるが、コストを下げることは「守り」のイメージが強いため消極的な取り組みしか行われておらず、これではコスト削減を行っても火の用心的な「掛け声」みたいなものが行われるだけで、成果は期待できません。

 

★その原因は社内にコストに精通している人が少ないために、コスト削減の価値が分からない、もしくは価値を持っていない事が原因であり、それを解消するにはいかにコスト削減で成果を発揮させ、結果で示すしか道はありません。​​

 

★小生が嘗て勤務した百貨店において、コスト削減の価値を経営に認知させた方法は、業績が悪化しこれでは予算ができない、それも売上面からは策が見当たらずお手上げと言う様な危機的状況を迎えた時に、ドラスティックなコスト削減策を提案し、実行することによって「予算達成」という「結果」で示した事でした。

 

★この様に「コスト削減」が頼りにされるのは売上では予算が出来ない時であり、そのためには「予算をつくる」と言う一点から常に売上の進捗状況を睨み、不足分をコスト削減で補填出来る様に準備をしておくことが必要であり、例え億単位の金額であろうがやらねばならない時には徹底して行い、成果を出さねば意味がありません。

2.コストは課題解決に使う

★コストは何のために使うのか、それは「課題を解決するために使う」ということ、これが基本です。​

 

★コストを使う場合、期待する効果を数値で具体的に設定しておき、コストを使ったら期待した効果が得られたかどうかを確認することが必要であり、使ったコストを上回る成果を出さないと「課題」が解決されたとは言えません。

 

3.評価基準は「市場の眼」

★コストを担当する方々にとっては物品や業務を発注する場合、発注価格がこれまでよりも安く、市場価格と比較してみても納得できる価格で手に入れられるかどうかがポイントです。

 

★その為には現在発注している物品・業務の仕様別「単価」を知り置くとともに、業界動向を把握し、市場価格をチェックする事が必要であり、これを常日頃から行っていると価格の変動があっても臨機応変に対応することが出来ます。

 

★「市場価格」を把握するには大変な時間と労力が必要ですが、手っ取り早くやる方法としては「競合見積」の実施が一番です。

 

★「競合見積」を実施するということは大変なことと思われるかもしれませんが、先ずは現在お付き合いのある業者だけでも良いので、発注している物品・業務の中で同じものなのに複数の業者に発注しているものについて「競合見積」をやってみるとよいでしょう。

 

★「競合見積」を実施してみると、これまでの発注価格がいかに高い価格だったのかがよく分かりますし、更に新規の業者を加えての「競合見積」では思わぬ価格が出てくることもありますので、「市場の眼」で「価格」を見る事は大変重要です。

 

4.「コスト」も「単価」×「数量」

★「コスト」も売上高と同様に「単価」×「数量」で決定されますので、「コスト削減が出来た」ということは「単価」が下がったか、「数量」が減ったか、もしくは「両方とも出来た」と言うことであり、それ以外では実現できません。​

 

★「コスト」を決定する「単価」「数量」を「下げる・減らす」には、コストを構成している要素に分解し「単価」「数量」に関連している要素を「変える」事が必要です。

 

5.コストの「構成要素」を変える 

★「コスト」は「単価」×「数量」で構成されているので「コスト」を変えるには「単価」を変えるか「数量」を変えればよいのですが「コスト削減」に当たって、「コスト」の勘定科目である「人件費」「施設費」「宣伝費」「運営費」等の大きな区分のままで「単価」や「数量」を変えると言っても、包括的な括りのため、何をどうして良いのか掴みどころが無く、アイディアがなかなか浮かんできません。

★そのためには大きな区分の勘定費目を中区分・小区分へとブレークダウンして行くことが必要です。そして小区分のコスト費目の構成要素を抽出し、その一つひとつについて検証を行い、「構成要素」を変えることによって「単価」が下がらないか、「数量」が減らないかということを検討していくと施策づくりに繋がっていきます。

 

★例えば「運営費」の中の「事務用品費」の場合、それを構成する「ノート」や「ファイル」等の品目を特定し、その品目を構成する「素材」「サイズ」「色」「発注担当者」「発注業者」「使用ルール」・・・等を抽出し、「単価」や「数量」を下げるために『素材が変えられないか』『サイズが変えられないか』『色が変えられないか』『発注担当者が変えられないか』『発注業者が変えられないか』『使用ルールが変えられないか』・・・等を検討するということです。

 

★構成要素を変えることによって今までの「単価」や「数量」が変わるということは「コスト構造」を構成している要素を変えることによって「コスト削減」ができたということであり、「コスト削減」とは固定化しているコストの「構成要素」を「変動化」させるということです。そして策定したコスト削減策を有効なものとするには「ルール」「プロセス」「パワー」を設定することが必要です。

 

6.「ルール」「プロセス」「パワー」を決める 

★物事を実行するには、先ず目指す「目的」を設定することが必要であり、設定した「目的」達成に向けて、的確に実行するための基準や規定等の「ルール」が必要です。

 

★そして決められた「ルール」を遵守させるためには「ルール」を実行の手順・方法等の「プロセス」が必要となります。

 

★決められた「ルール」「プロセス」を遵守するためには、実行を指示・点検等を行う「パワー」が必要となります。

 

★これは「コスト削減」実施においても同じであり、「ルール」「プロセス」「パワー」を設定することによって施策は有効なものとなります。

 

【設定の視点】

 

➀『ルール』

◆新たに「ルール」が必要なのか、

◆「ルール」を変える必要があるのか、

◆「ルール」の周知徹底・補強が必要なのか、

◆「ルール」の統一が必要なのか、

◆「ルール」の廃止をする必要があるのか・・・等

 

②「プロセス」

 ◆新たに「プロセス」が必要なのか

 ◆「プロセス」の周知徹底・補強が必要なのか

 ◆「プロセス」の標準化が必要なのか

 ◆「プロセス」の集約化が必要なのか

 ◆「プロセス」の簡素化が必要なのか

 ◆「プロセス」の廃止が必要なのか ・・・等

 

③「パワー」

 ◆新たに「パワー」が必要なのか

 ◆「パワー」の周知徹底・補強が必要なのか

 ◆「パワー」の集約化が必要なのか

 ◆「パワー」の廃止が必要なのか ・・・等

 

以上、「コスト削減策」を実施するに当たって「ルール」「プロセス」「パワー」の3つを「決める」ことを述べましたが、「ルール」を決めたが「プロセス」や「パワー」は現状通りでも施策が実施でき、成果が見込めるのか、それとも「プロセス」や「パワー」も併せて「決める」必要があるのかと言うことを点検する必要があります。

 

これまでの経験からは「ルール」を決めると、それを進めるためには関連する「プロセス」を決める必要があり、更に「ルール」「プロセス」を遵守・実行させるには、これも関連する「パワー」も決めないと実施が困難でした。施策を有効に機能させるには、これらの3つが相互に連携して機能させることが施策実施に必要であることが多々ありました。

                   

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